
(水沢スカウト(左)から西武の帽子をかぶり、ガッツポーズの菊池。)
29日に行われたドラフト会議では、注目の花巻東・菊池雄星投手(18)の交渉権を6球団の競合の末、西武が獲得。
引き当てた西武は狂喜乱舞しているが、将来のメジャー挑戦を視野に入れる菊池自身にとっても、西武は願ってもない球団といえそうだ。
「メジャー? その辺はお答えは…まだ交渉権を獲得しただけですから」。
それまで満面に笑みをたたえていた西武・前田球団本部長が、表情を引き締めた。
ドラフト直前まで、メジャーか、国内かで悩み、「日本の方全員に認められてから世界でプレーしたい」とも語った菊池。
FAでメジャーへ行く権利を得るには、最低でも9年かかる。
その点、西武には、松坂(現レッドソックス)を在籍8年間でFA権取得前にポスティングシステムでメジャーへ送り出した実績がある。
菊池にしても、今すぐ渡米ならマイナーリーグからのスタートは必至。
西武で来季、いきなり活躍し、新人王でも獲ろうものなら、黙っていても「今度はメジャー契約で」というオファーが舞い込むだろう。
また、松坂のメジャー移籍の際には、入札金約60億円を手にした西武にとっても、決して悪いビジネスではない。
仮に西武が近い将来、菊池でもう一度…と考えるなら、菊池にとって“最もメジャーに近い球団”といえそうだ。
松井稼頭央(現アストロズ)もFA権を行使し、29歳の年にメジャーデビューを飾っている。
西武も今月16日の面談の際に鈴木編成部部長が「松坂、松井(稼頭央)がそうだったように、国内で腕を磨いてからメジャーへ行ってもおかしくない」と訴えた。
さらにドジャース、メッツでメジャー在籍4年の石井一久がいて、経験談は聞きたい放題。
同じくメジャー志向が強いといわれる中島、涌井らもいて、刺激にはこと欠かない。
現在西武が獲得を検討中で、菊池が尊敬する選手でもある工藤(横浜を自由契約)が入団すれば、こちらも毎オフのように米アリゾナ州で自主トレを行い、メジャーの名投手ランディ・ジョンソンらと親交があり、メジャーへ行かずしてメジャー通になれる。
もともと清原、松坂ら「金の卵」といわれた鳴り物入りの高卒新人をきっちり球界の顔に育て、一方でアマ時代にはそれほどの有望株とはいえなかった松井稼頭央、中島、中村らも鍛え上げており、育成能力には定評のある球団。
西武のユニホームを着てパ・リーグを沸かせた後は、何年後に海を渡るのかが注目されるようになるはずだ。